もうこんな時間。
やだやだ。
もう朝じゃないの。
待ってるのに、来ないアイツ。
眠りたい時に限って睡魔はやってこない。
さすが悪魔。
いい加減寝たい…明日は朝から起きなきゃいけないんだから…。
どーしたものか…そんな時にぐるぐる頭の中を回るのは昔の記憶。
悪魔は眠らせてくれないだけじゃなく、アタシの思い出まで引っ掻き回すようだ。
布団の上で寝返ると、当然の如く、冷たい空気にさらされた部分が冷たくて、少しだけ頭がクリアになる。
それも徐々にアタシの体温で熱を持つのだけど…思い出とシンクロしたアタシの指はスルリ、シーツの上をさまよった。
``…体温差…''
冷え性のアタシ。
温まりの悪い布団。
寒い時期は特に厳しいな…。
…あぁ…ホント余計なことばかり考えさせるな、この悪魔め。
でも、そろそろ悪魔もおねんね?
目頭がきゅうっとしてきた。
ひんやりしたタオルに顔を埋めると、シャンプーの匂い、アタシの匂い。
なんだか妙に落ち着く。
無意識に鼻先で探すものは見つからなくて、そっと息をはき出した。
だんだんと気持ちが穏やかになってきた。
これで眠れそう。
どんな夢が、見れるかな。
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